〜ロッカールームの涙〜
7月23日に府中・郷土の森総合体育館で開催された関東女子リーグ第4節・ビークス戦に敗れたバルドラール浦安ラス・ボニータスは、この日の敗戦が関東女子リーグにおける今季初黒星とはいえ、失意の色を隠せなかった。さらにその約1週間前には日本リーグ第4節でarco-iris KOBEに敗れているため、ビークス戦の敗戦により、今季初の連敗となった。
試合後のミーティングルームではビークス戦の後半に訪れた相手キックインのピンチを一度は防いだものの、そのこぼれ球を相手に押し込まれて決勝点を献上する格好となった守護神・長島マリが茫然としている。隣に座っていた江川涼は彼女を慰めるかのように、肩に手をかけた。そして窓際の席に座っていた四井沙樹は、手で顔を覆っていた。
思い思いに選手たちが敗戦の悔しさを消化しようとしている中、試合後の指揮官の米川正夫総監督は「客観的に見てチャンスの質もウチが上だった」と悔しさをかみ殺していた。そしてさらにこうも言った。
「内容で上回っても勝てない。こういう結果はもどかしい。世の中は結果でしか見ないから」
やるせない結果が出ても、すぐに試合がやってくるため、チームは前に進むしかない。この日のチームの活動を締めるために、米川総監督が選手たちにこう語りかける。
「次は日本リーグの試合だ。もうこの結果を背負って前を向くしかない。コンディションと気持ちを整えて、次の試合で勝つために個人として何が必要か。チームとして何ができるか。それらを突き詰めて試合に臨もう。日本リーグの大会は次、負けたらもう何も残らない。そんな厳しいシーズンになってしまう。だから結果を残そう」
今週末の7月29日(土)に神戸市中央体育館で開催される日本リーグ第6節・福井丸岡RUCK戦は、勝たなければプレーオフ進出の望みが絶たれてしまう“大一番”である。チーム状態は決して良好とは言えないが、今季の目標の一つに掲げていた日本リーグ制覇を果たすためには、とにかく目の前の相手に勝つしかない。
「切り替えや前線からのプレス、ハードワーク。そして相手に気迫で勝つこと。大事なことを徹底してやっていく。とにかく勝つためのフットサルをしたい」(田中千尋)
「次の日本リーグの試合結果がプレーオフ進出を左右する。私個人としては、チャンスを作ることとゴールを決めることにこだわって結果を残したい」(阿部真美)
チーム主将とエースは、そう言って福井丸岡RUCK戦での勝利を誓った。
悔し涙は、もう、散々流した。次の涙は日本リーグの頂点という目指す場所にたどり着いたときでいいだろう。そのためにも、週末の福井丸岡RUCK戦は、なんとしても結果を残さなければならない。バルドラールのエンブレムを胸に宿す“ラス・ボニ”が7月29日(土)、港町・神戸で今季最大の山場に挑む。(郡司 聡)
【次戦試合情報】
■日本女子フットサルリーグ2017第6節
7月29日(土)
神戸市立中央体育館
13:15キックオフ
vs.福井丸岡RUCK